中村学園大学(福岡市)の特任教授、星野裕志(ひろし)さん(66)は1月6日、仕事始めを神戸市東灘区で迎えた。NPO法人「コミュニティ・サポートセンター(CS)神戸」の事務所で、今年の計画を話し合うためだ。30年前にこの街で被災し、その人生は大きく変わった。
元々は大手海運会社のサラリーマンだった。1994年12月に、神戸大学に招かれて助教授に着任した。翌月17日、朝。激しい揺れで目を覚ますと、自宅のマンションの壁が波打っていた。
建物が潰れた街を歩き、キャンパスに駆けつけた。同僚の4分の3が出勤できていなかった。まだ授業を持っていなかった自分が、安否不明の学生の捜索を名乗り出た。
ヒッチハイクで遺体の安置された警察署や体育館を回り、犠牲者の顔にかけられた布を1枚ずつめくって確認した。
神戸市立王子動物園内の遺体安置所で、前月言葉を交わしたばかりの学生の変わり果てた姿と対面した。
■被災者同士の「支え合い」原…